四の五の帳

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おすすめ漫画「ナヴィガトリア」(押石和佳、集英社/ジャンプ+)

最近の超お気に入り漫画、「ナヴィガトリア」。

作者は押石和佳さんで、ジャンプ+で連載中(隔週掲載)。

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あらすじ

主人公の鳳凰學(ほうおう・まなぶ/マナブ)は独裁国家ムジンコ共和国の高官の家に生まれ育ち、父親との「勉強も武道もトップを取れば進路を選ばせてくれる」という約束を心の支えに窮屈な暮らしに耐えていた。

マナブには幼馴染のヒナちゃんがいる。2人の小さな秘密の楽しみは、映画を観ること。あらゆる娯楽が禁止されたこの国で、それは大きな癒しだった。

親に「海外の大学に進学する」ことを認めさせると決意を固めたその日、家に帰ると政府の人間たちが待っていた。突然「君には宇宙に行ってもらう」と宣告されてしまったマナブ。

 

マナブが宇宙に行かなければならない理由。

地球軍が初めて手に入れた植民星、惑星『デメテール』。植民星の指導者を探すため、地球軍は『デメテール』に学校を建てた。その学校には各国が推薦する100人の若者が入学し、お互いの能力を競い合う。そして、1年後の選挙でトップの者は植民星『デメテール』の最高指導者、通称『ナヴィガトリア』に選ばれる。

国の代表が『ナヴィガトリア』になれば『デメテール』は実質その国の領土となる。マナブにはムジンコ共和国のため、『デメテール』を手に入れ永久にムジンコ政府の手先として治めてほしいというわけだ。もちろん拒否権はない。

 

出発を控えたある日、ヒナちゃんの想いを知ったマナブは植民星を必ず手に入れることを決意する。手に入れるが、ムジンコ共和国には渡さない。デメテールの指導者となり、ヒナちゃんと一緒に暮らせる国を作るため、マナブの挑戦が始まる。

ちなみに失敗するとマナブは殺されることになってる。怖い。

 

あらすじで気になった人はこちらから。

リンクのあとに続けておすすめポイント書きます

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おすすめポイント

既にだいぶ長くなってしまったんだけどおすすめポイントを。

・マナブくんがお人好し

やる気満々で来たにしてはめちゃくちゃお人好しなので心配になる場面もあるくらい。頭脳戦仕掛けるタイプじゃなくて体当たりタイプでした。ひたむきでまっすぐでとってもいい子。あと心の中のヒナちゃんがかわいい。

多分シンプルに育ちがいいんだと思う。

 

・ヒロインがすごく素敵

まず最初に出てくるヒナちゃんが明るくて健気でめちゃくちゃかわいい。なんていい子なんだ。幸せになってくれ。

そして最近の話で出てきたマドレーヌちゃん。元々本気でナヴィガトリアを目指しているわけじゃなく、初登場時のモチベーションと成績がすごく低かった。一緒に課題をこなす中で自分の殻を破ることができ、マナブに好意を寄せるようになったんだけど、この子の精神面での成長が本当にすごい。恋で開眼するって現実でもたまに聞くけど、そう来たか~!と。

ヒナちゃんもマドレーヌちゃんもただ待ってるだけじゃなく、時には信じられないような手を使ってまで自分の願い(恋)を叶えようとするしたたかな姿に惹かれる。

ストーリー的にマナブはヒナちゃんとくっついて欲しい気持ちはあるんですけど、15話のマドレーヌちゃんが最高すぎるんだよな。ひとつ殻を破ったと思ったら間を置かずさらにもうひとつ殻を破るとは……!がんばれ恋する乙女。マナブ、ぼーっとしてる場合じゃないぞ!

ヒナちゃんやマドレーヌちゃんを見ているとマナブは少々呑気すぎるんじゃないかと思う。それもいいとこだけど。初めての国外でハイになってるのかな?

 

・色んな背景を持つクラスメートたち

他の国の代表者もガツガツしてる子ばかりかと思いきや本気でナヴィガトリアを取りに来てない子も割といるのが意外だった。国同士の付き合いで来たとか、平和主義国家をアピールするためにわざと芸術家を送り込んだりとか。みんなのやる気に差があることが面白い。

あと架空の地球(未来かも?)なので、100人の代表者の国がそれぞれキャラ立ちしているのが面白いしわかりやすくていい。「医療国家」「侵略国家」「数学最先端国家」などなど、「世界が100人の村だったら?」みたいな世界観してる。今後もそれぞれの国ならではの活躍ポイントがあるのかな?マナブの「独裁国家」が役立つところは思い浮かばないけど……。

みんなの背景ややる気に差があることで、クラスメート同士の関係にも深みが出てる。

 

独裁国家出身という設定が効いている

これが一番好きポイントかも。なるほどな~って思う点がたくさん。

まずモチベーションの点。独裁国家から出ていきたいってだけでも強い動機になりえるけど、そこに両想いの幼馴染でしょ。さらに失敗したら殺されるんだもん。死かナヴィガトリアか、道は2つしかない。ナヴィガトリアになれなかったからって別に殺すまでしなくても……と思うけど、やっぱ独裁国家としては海外の人やものと触れた奴なんか危なすぎて生かしておけないって考えると説得力がある。殺されることに真実味がある。がんばれマナブ。

 

それからマナブ自身の魅力につながる点。マナブ、自国では文武両道の天才みたいな感じなんだけど、最初の学力テストで全然点が取れなくて苦しむことに。でも、いざ本気で勉強してみたら「自国の教育が10年分遅れていたこと」がわかる。こういうところでマナブの努力の過程が見えるのはいいなって思う。10年の遅れは普通にやばい。がんばれマナブ。

 

ストーリー展開に効いてる点。マナブの魅力にも通じる話なんだけど、いい意味でマナブにはまだ知らないことがたくさんある。独裁国家出身で、マジでどこの国がどんな国なのか多分あんまりよくわかってない。だから誰とも話せちゃうし、いちいち素直に接するし受け入れることができる。大帝国だろうが、植民星の代表(デメテール人)だろうが、まだ何にも曇らされていない目線で向き合う。だからマドレーヌちゃんも惚れるわけでね。

一方、あまり関係のよくない2国の代表者とそれぞれ友達として接しているせいで問題が起きそうなのが心配にもなる。マナブのこだわりのなさがいい方向に転べばいいんだけど、人を引き寄せもするし、引き寄せた勢いで台風の目になってしまうかもしれない。がんばれマナブ。

 

他にも細かいところを挙げていけば色々あるんだけど、とにかくこの漫画が大好き。もっと色んな人に読んでほしいな。

そんなナヴィガトリア、5月に第1巻が出ました。

次巻は9月に出るらしいので今からめちゃくちゃ楽しみにしてる。

おすすめしたさ過ぎて3回もリンク貼ってしまった。ぜひリンクから読んでみてください。この漫画自分も好きだよって人がいたら嬉しい!!!

 

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