UCヴィジランスのキブウェ・イカンデ司令官。
紅の艦隊に父を奪われた経験から正義に燃え、熱意で若干空回りしてる気があるものの宇宙の安全を目標にひたすら任務に邁進するUC防衛システムの塊である。
ただその空回り部分がものすごくて、上の人が根拠に乏しいことを理由に紅の艦隊殲滅計画に消極的と見るや罪人(またはUCバンガードの新人)を単身敵地に潜入させるわUC側にも話通さず殺されたり殺したりしたら自己責任な!というかなり無茶なミッションをやらせるわでなかなかこう……アレな……。
UC防衛システムのあれやこれやを終わらせた後、特に用もないので寄り付かなかったのだが偶然トフト大尉に未提出だった証拠を見つけてしまい、久しぶりに立ち寄ったら司令官のコンピューターのログが更新されていた。
毎度のように一応触ってたはずだけど、どのタイミングで追加されたかはわからない。前は「個人的文書」に「決意と目的」までしかなかったのが、「目的は?」と「過去の目的」が追加されている。
「目的は?」では、<キー>に総攻撃を仕掛ける前夜の心境が綴られている。
司令官は艦内にいる兵士たちが家族について話すのに耳を傾けるのを好んでいた。話を聞いていると、代わりに紅の艦隊の人間が<キー>で何を話しているか想像してしまう。戦争では時に人間性を停止することが求められるが、今回の自分たちの戦いにその必要はない。司令官のことを信じられないなら、紅の艦隊が何を話しているか聞けばいい……という内容。
「過去の目的」では、作戦を終えた後の心境が綴られている。
「自分が任務成功を直接伝えたいのは1人だけだ。その時がきたら、涙ながらにこの報せを伝えよう」とある。お父上……。作戦を終えたら安堵できるかと思っていたがそうでもなかったこと、作戦が終わり次第引退するはずだったが紅の艦隊との戦闘が心に火をつけたことが記されている。
いやねえ、こういうのわざわざ読まない人もいると思うから直接喋らせた方がいいんじゃないのって思うよ。実際、読んだらちょっと印象変わったもん。