四の五の帳

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「野外毒本 被害実例から知る日本の危険生物」(羽田治著、ヤマケイ文庫)

今回読んだのはこちら。

「野外毒本 被害実例から知る日本の危険生物」(羽田治著、ヤマケイ文庫)

 

その名の通り、生きものから植物、果ては感染症に至るまで野外に存在するありとあらゆる危険(毒)を被害実例を交えつつコンパクトに紹介してくれる一冊。読んでると「この世に逃げ場なんてないんだ……」って気持ちになれていいよ(?)。

北は北海道から南は沖縄まで、まんべんなく危険が潜む日本列島。というか、蛇と魚類と昆虫のカバー範囲が広い。日本中どこでも出くわす危険がある。死亡したケースはあまり取り上げられていないものの被害実例はなかなか強烈で、特に刺されたとか咬まれたとかいう話は何だか自分まで痛痒くなってくる。

 

これ読んでてふと思ったんだけど、魚毒や蛇毒よりも植物毒のほうがやばいかもしれない。刺傷、咬傷で直接血管や筋肉に毒を注入されるとえらいことになるものでも、経口摂取したり加熱したりで弱毒化、あるいは無毒化するものが結構ある。フグとかは無理だけど。一方、植物毒は調理しようが何しようが食ったら最後、みたいなやつが目立つ。何せ胃酸に負けないつよい子なのだ。という、ちょっとした気づきがあった。

 

読みながら知らない成分を片っ端から検索していたので、今自分のGoogleの検索履歴がめちゃくちゃ毒大好きな人みたいになってる。そう、気分はさながら

「毒物くん」……。いや毒物くんは別に毒物詳しくないんだけど。

 

しかし何といっても圧巻なのは巻頭の危険生物・植物グラビア。この本に登場する色んな種類の生きものや植物たちの写真が数十ページにわたり掲載されている。横に写真提供者のお名前も載っているのがよい。見ごたえ十分。

自分は普段虫とかあまり怖くないタイプだと思ってたんだけど、ドクガの幼虫なんかが一堂に会したページではさすがにぞわぞわぞわ~……。あれってもう本能的な恐怖だと思うんよ。というか、写真があまりにもリアルすぎてここで挫折する人いそう。裏を返せばこの部分だけでも資料価値十分ということだ。Kindleなら拡大して見ることもできるぞ!そうしたいかは別として!

 

ちょっとした図鑑としても、雑学本としても楽しめるいい本。まあ自分はこれを読んでさあ野山に繰り出そう!とはならなかったけど……。人によっては引きこもりライフが加速するかも?

 

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